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「き…京子!!」
 傷だらけの我が身も鑑(かんが)みずヨッタは叫ぶ。

 京子がガックリと頭をうなだれている。口からはスーッと血が滴った。

「まさか舌を噛み切ったんじゃ…」
 ポゴが呟く。

「…嘘だろ?」
愕然(がくぜん)と言い放つヨッタ。

「これで、良いのよ…」
 京子の意識が、遠退き始める。


 京子は自ら舌を噛み、金髪の男の躊躇(ためら)いを断ち切ったのだ。

「グオーッ!」
 しかし、ザイーテンの攻撃は止まらない!

「ヨッタ!避けるんだ。」
 ポゴが叫ぶ。ヨッタはサッと身をひるがえす。


『どうする気だ?ヨッタ。このままじゃ、何も救えないぞ。』静かに眺めるごんぞ。


「ヨッタ迷いは消して。京子の呼吸、凄く浅くなってるんだ。」

「…嫌だ!俺は何も無くしたくない…」
 ヨッタが叫んだ。

「ウガァー!!」
 ザイーテンは呼応するかのように、態勢を低くし突っ込んでくる!

「…」
 それでも静かに立ち尽くすヨッタ。


 ザイーテンが右拳を振りかぶった!!