???

「ヨッタ!…どうしたのさ?」
 ポゴが叫ぶ。

「…俺は京子を傷つけられない…」
 ヨッタが呟く。その体には幾多の傷跡が刻まれていた。

「バグァー!」
 ザイーテンの右拳が飛ぶ。避けるヨッタ。

 ビシッ。しかし鎖が肩をかすめる。


「駄目よ!躊躇(ためら)わずに私ごと倒して!」
 京子の悲痛の叫びがあがる。


「ハァハァハァ。」
 ザイーテンは小刻みに息する。



 両者は宙で、暫(しば)し対峙した。



「…駄目なんだよ。ここで京子を救えなきゃ、全てが終わっちゃう…そんな気がする。…たとえ世界が滅びても、大事な何かを無くしてまで守る必要は無いような気がするんだ。」
 俯きながらも力強く呟くヨッタ。


『…違う…ヨッタは、間違いで英雄(ヒーロー)になったけど、今まで見てきた英雄(ヒーロー)達とは全然違う。……』ポゴがゴクリと唾を飲んだ。


『駄目!私が居たんじゃ、あの人本気を出せない…』京子が口を噛み締めた。


「ジャルルル!」
 ザイーテンが攻撃を開始する。

 防御しようと態勢を構えるヨッタ。

「…!?」
 だが、その行動がピタリと止まった。

 バコーッ!!

 ザイーテンの拳が、確実にヨッタにヒットした。

 激しい激痛に襲われる。


 だがその身を宙にとどめた!