???

「逃げて!」
 京子の叫びがあがる。視線を向けるヨッタ。

 ザイーテンの放つ鎖が、四方から襲ってきた。

「ぐわーっ!」
 それがヨッタを直撃した。激しく身をよじる。

 衝かさず、ザイーテンの右拳が放たれる。

 必死に身を丸めるヨッタ。

 ズバーン!その体が吹き飛んだ!

「やめて!死んじゃう…」
 京子が、ザイーテンの体を叩きだす。

「ぐっ…ガガッ!」
 突然ザイーテンの呼吸が乱れ、脂汗が流れだした。

「あなた、まさか!…」
 その手を止める京子。

「ガグ…こ…殺してくれ…」
 不意に呟くザイーテン。

「ヨッタ、大丈夫?」
 ポゴが訊ねた。

「うん。ちょっと効いたけど、まだやれる!」
 気を引き締めるヨッタ。再び飛び出した。

「グオーッ!」
 呼応して、ザイーテンも飛び出す。

「どうだ!」
 ヨッタが裏拳を放った。

「駄目だよ!京子だ。」
 ポゴが耳元で叫ぶ。ヨッタの攻撃の先に、京子の姿が見えた。

「ちっ!なら、こっちだ。」
 慌てて攻撃を止め、逆回転するヨッタ。その返す攻撃でザイーテンの右脇腹を狙う。

「ガガァ!」
 しかしそれより先に、ザイーテンの右拳がヨッタに穿(うが)たれた。

 衝かさず身をひるがえし、威力を弱める。

「ぐわっ、痛え。…くそう、このままじゃ埒(らち)が開かない。一体どうすれば…」
 腹を抱えながらも、ままならない状態に戸惑う。