ヨッタの体が宙に浮いた。映画の撮影だと浮かれ立つ人々の上を飛び過ぎる。


「あっ!また誰か、空を飛んでる!」

「あれって、新聞に載ってた金髪マン!?」

「そうだよ。金髪マンだ!あいつ、役者さんだったんだ。」

 人々の興奮は益々ヒートアップしていく。


「ヨッタ、その戦闘服のおかげで、空を飛べるようになったけど、気を付けて。その能力の源は、君の精神力なんだ。余り長い時間飛び続けると体力に支障を受けるから。」
 ポゴが注意した。



「くらえ!!」
 ジャスが刀を袈裟(けさ)がけに、ザイーテンに切り出す。

 しかしザイーテンは飛び退き、回転しながら、鎖を投げ撃った。

 キーン!刀で弾き返すジャス。


「まったく…うっとおしいな…その女。」

 ジャスが京子を睨む。京子の存在が邪魔で本気で攻撃出来ないのだ。

「ザイーテン!その女を放せ。」

「グァーッ!」
 ザイーテンの拳が飛んでくる。サッと避けるジャス。


「…仕方ない、本気で行くぞ!」
 ジャスが刀を振りかぶった!

「…」
 覚悟を決めたかのように、目を瞑る京子。