「どう言う事だよ。…つまり、ザイーテンて奴は悪人じゃないって事?」


「…ジャスとザイーテンは、両極端に立つ立場なのかも知れんな。」
 ごんぞが重い口を開いた。

「どう言う事?」

「ザイーテンは正義の為に愛する人を失い、ジャスは正義の為に愛する人を捨てた。」






 それは大戦終決直後の、今から千年程前の事だった。

〜大銀河連邦議会・マジェスタ〜


 108の議会常任国の代表や将軍等の要人達が、すり鉢状の議会席に並んでいた。

「それでは“十三評議会”と一緒ではないか!」
 ザイーテンが壇上を叩いた。


 当時彼は、戦勝国“シャガール星団”の将軍で、まだ金色の髪にがっしりした体格の、りりしい青年だった。

「ふん、シャガール星団は領土も雄大だ。しかも、戦争による被害も少なかったからな。…だが、我々“リザード連合国”の被害は莫大(ばくだい)だ!その保障ぐらいしてもらっても、構わんだろう!」
 トカゲに似た、リザード連合国の将軍が食い付く。