その後貴ボン達は、隣の建物の屋上へ向かった。

 だがそこに京子の姿は無かった。


 貴ボンと将太郎の、コネクションの合同チームによる、必死の捜索が続いた。

 しかし、京子の手がかりは、一行につかむ事は無かった。




「う…ううん。」
 ヨッタが木漏れ日さすベットで目覚めた。

 時刻は午後二時。気怠(けだる)い暑さの中、セミの鳴き声だけが元気に響いていた。


「やっと起きたか。」
 声が聞こえた。視線を変えるヨッタ。

「ごんぞ!」

 それはごんぞだった。ごんぞは、窓際にもたれ掛けていた。

「気が付いたんですね!…今、先生呼んできます!」
 傍らでは、看護婦が安堵の表情を浮かべ、慌てて室内を後にした。


 ヨッタが居たのは、病院だった。


「まったく、もう“三日”も寝たままだったんだぞ。」
 ごんぞが口を尖らす。しかし、安心感からすぐ緩んだ。

「三日も?…後免、心配掛けて。…あいつは!ジャスとの戦いは?」
 身を乗り出し問い質すヨッタ。

「安心しろ。お前の勝ちだ。」

 そのごんぞの言葉にヨッタの体から力が抜けた。

「…良かった。」
 ホッと息を吐く。それとは違いごんぞの顔色は曇ったままだった。