ドサッ。

 そのボンネットに誰か降り立った。

「ぎゃあー!ジャス!」
 キャミーが目玉が飛び出る勢いで驚いた。

「金、返しに来たんだよ。」
 ジャスは穏やかに伝える。

「そうなんしゅか?」
 キャミーは落ち着きを取り戻す。

「窓開けてくれないか?フロントガラス叩き割る訳にはいかないだろう。」

「それは困るでちゅ。」
 キャミーが窓を開けた。

 咄嗟(とっさ)に投げ銭が、キャミーを襲った!

「ぎゃあー!痛いでちゅ。」
 激しく痛がるキャミー。

「金は返した。お前等も見逃してやる。だが今度その“いかにも宇宙人ですって格好”見たら、いつでもやってやるからな。」
 ジャスは日本刀をキャミーの喉ぶえに突き付けた。


「ぎぃやぁー!…トラしゃーん!」
 キャミーは頭を横に振り、泣き叫ぶ。

 トランクはテンパり頭を抱えるだけだ。

「精々、気を付ける事だ。」
 そしてジャスは地上へと落下していった。



 スタッ。

 ジャスが地上に降り立った。

 そこは、何出弥製作所から少し離れた空き地だった。

「賽は投げられた。…後は、お前がどうするか。なあヨッタ。」