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「この気は只者じゃあ無え!」
 ジャスの眼光が鋭さを増す。

「“一つ”は、俺達が追う、デットーリーの物に間違い無い。…だが、“もう一つ”の気は、その比じゃ無いぞ!」
 ごんぞは、その気の漂う本牧ふ頭を睨んだ。

「俺は行ってみる。お前は、“ヨッタ”を病院に連れて行け!」
 ジャスは言って、Z2に飛び乗った。

 ヴオンヴオン!激しいエンジン音が響く。

「ジャスお前、ヨッタの名前を呼んだな。」
 ごんぞが呟く。

「…?何だって。」
 ジャスが聞き質した。

「何でも無え!」

「そうか、じゃいくぞ!」

 ヴオーンヴオオーン!エキゾーストを残し、ジャスのZ2が湾岸線に向かって疾駆し始めた。


 ごんぞは、その後ろ姿を眺めていた。そして後部座席に横たわるヨッタに、視線を移した。

「…やったな、ヨッタ。お前、スーパーヒーローに認められたんだぞ。」