???

「隣の工場、今日稼働して無いから入れねーぞ。」
 人々は途方に暮れていた。


 ビューッ!突然、激しい突風が吹いた。

「何だこの風は!」
 千秋がその風で倒れ込んだ。

「何だべ?そ…空に、わげめ(亀裂)が!」
 将太郎が空を指差した。

 そこに空間が見える。風はそこに向かって吹き込んでいた。


 ビュン!急に風が逆流しだした。

「うわぁー!」
 人々は突風に煽られた!



「見つからぬよう、そっと運べ。」。
 その時乱宮達が、何出弥製作所の裏口から現われた。

「車まで、運ぶでちゅ。」

「待ってくれ、君達。この鉄板、一トン程あるぞ。ヒー」
 鈍平がヨタヨタ現われた。その背中にかなりの鉄板を背負って。

「ちゅべこべ言わないでちゅ。…あ!」
 木網が、何かにぶつかった。

 立ち止まる乱宮に、体をぶつけたのだ。

「痛ちゃい!…トラしゃん?どうしたでちゅ。」

「…あ…あれ!」
 乱宮が、空を指差した。



 人々が見上げる空間に、ヨロイを着込んだ人物が佇んでいた。その手には、ジャラジャラと鎖が握られている。

「ひ…人だ?人が空に!」
 人々は騒然となる。



『ボ…ボスしゃん!?』木網達の顔から血の気が引いた。


 そこにいたのは、大銀河テロリスト・トラトラトラの首領・デットーリーだったのだ。