???

「どうするんだ。これから?」
 ごんぞはハイラックスの窓越しに、ジャスに訊ねる。

「さあな。当分この街に居るつもりだがな。」
 ジャスは、Z2の脇に立っている。


 二人は大黒パーキングに戻っていた。

 パーキングは未だに、雑然としていた。

 しかし誰も、ジャスに気付く事は無かった。帽子もアロハシャツも無くしていたからだ。

「この街に居るなら、また会う事もあるだろうな。その時はよろしくな。」

「ああ。…それと、すまんが…金貸してくれないかな…」
 ジャスが俯いた(うつむいた)。

「あ…ああ、良いが。幾らだ。」

「驚くな…百二十円。…いや、良いんだ、十円でも一円でも貸せるだけで。」
 ジャスが顔をあげる。

「あのな…お前、どんだけだよ…貸してやるよ。」

 ごんぞは、財布から百二十円取出しジャスに渡した。

「お前!金持ちだな。…この恩は一生忘れねえ。」
 ジャスは、ごんぞの手を取り固い握手を交わした。

 言葉もないごんぞ。


「…じゃあ、行くわ。ヨッタを病院に連れてかなきゃな。」
 正気を取り戻したごんぞが言った。


 ゾクッ!

 不意に、二人の体に寒気が走る。