???

「ウラミダ!」
 その貴ボンの覚悟を知ってか、ジークレは右手を大きく振り落とした!

 バキッ!その攻撃が貴ボンの頂頭部に、叩き落とされた。

「…ぐっ…」
 気合いで耐える貴ボン。“七三のかつら”が、スルリとずり落ちた。


 目を見張る京子。

「や…やめて!もうやめて!」
 京子は、ジークレを両手で叩き出した。その目には大粒の涙が溢れる。

「その手を放しやがれ!!」
 貴ボンが凄んだ。

「ガ!グワ…」
 ジークレが威圧される。不意にクルリと踵を返すと、後方の塀に飛び乗った。

「あっ!逃げる気のようですよ!」
 紫織が叫ぶ。

「サラバ!」
 ジークレは慌てる人々を尻目に、隣の建物の屋上に大きくジャンプした。

「うおっ!油断した。あんなに飛ぶなんて!」
 貴ボンがパニくる。



 ビシビシ!

 その時、製作所敷地内の上空で風が鳴りだした。