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 狭い主塔での攻防は続く。ジャスの戸惑いは、更に大きくなっていく。

「…ぼうや、調子に乗るなよ。この宇宙は、お前が考える程甘かぁ無ぇ!」
 ジャスの左拳が飛んだ。

 ヨッタは間髪避ける。

「風牙・送り風!!」
 ジャスが叫んだ!

「…!」
 ヨッタの放つ風龍牙以上の力で、ヨッタの体がジャスに引き込まれる!

 バキッ!

 勢い良く引き込まれるヨッタの体が、ジャスの左拳の一撃で吹き飛んだ!


 ドガァ!そのまま反対側の主塔の“H”状の中間部分である、橋間に叩き打たれた!

「ハガァ!」
 激しい苦痛の表情を浮かべるヨッタ。

 それでも必死に両手を橋間にあてがい、ズルズルと下に落ち行く我が身を死守した。


「お前は、まだ分かっちゃいねぇ!この宇宙の広大さ、この宇宙の残虐さ、…何より“あの戦争”の凄まじさ!…弱さは罪なんだよ!!」
 ジャスが青き港街で吠える。その顔から、笑みが完全に消えた!


 スタン。ジャスはヨッタの背中に馬乗りに飛び乗った。

「最後だ。このまま、地面に叩き付けてやるよ。」
 そして、ヨッタの腕に拳を入れ始めた。

「ガッ!…アガッ!」
 小刻みに叫ぶヨッタ。それでもジャスは黙々と叩き続ける。

「ジャス!酷いよ、どうしてそこまでするのさ。」
 ポゴが必死に叫ぶ。

「言ったろ。弱さは罪だと、“黄昏の時代”に生きた俺達ヒーローは強さが全てなんだ。…このぼうやがここで傷付き倒れるようなら、この先人々を救う事は出来ない。…これは試練なんだよ。」


『ジ…ジャス。…』ごんぞは固唾を飲んでその様子を見守る。