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「ははは…。おい、お前ら何井戸端会議に興じてるんだ?俺の事、忘れちゃった?」
 ジャスはあぐらをかいて頬杖しながら、三人を眺めている。

「ジャス!やめてくれ、こいつは未だ英雄(ヒーロー)に成り立てのヒョッコなんだよ。お前が本気で来たら勝てる筈がねえ!」
 ごんぞが叫んだ。

「これはヒーロー同士の決闘だ!パトロール隊員ごときが口を挟むな。」
 ジャスが静かに返した。

「くっ…ジャス、お前トラトラトラと結託してた件はどうする気だ!」

「ああ、俺は確かにやつらに協力した。だがあれはあの化け物を利用して、臓器売買組織を叩き潰す為だ!」
 ジャスの口元が真一文字に閉じられた。

「…相変わらずだな。正義王ジャス!その信念を曲げない男。」
 ごんぞが吐き捨てた。


 正義王(ジャスティ)こと、ジャスは自分の信じた正義の為なら手段を選ばず叩き潰す。そういう一本気の男だった。

 無論自分が受けた恩も、仇で返す事は出来ない。

 だからこそ、今回キャミーの策略に巧く嵌まって(はまって)しまったのだ。


「確かにぼうやじゃ、俺は倒せねぇはな。ならこうしよう、俺のこのゴーグルを奪い取ったら、あんたの勝ちって事で。」
 ジャスは胸元に下げたゴーグルを額に掛け直した。

「ヨッタ。どうするの?」
 ポゴがヨッタに訊ねる。

「やるよ。あいつのゴーグル取れば良いんだろ?簡単だよ。」
 ヨッタが決心を固めた。

「良く言った、ぼうや。それじゃあ、行くぞ!」
 “スーパーヒーロー”ジャスが主塔より飛び降りた。




 煌めく港街の中、金と銀の野獣がうねりを上げる!