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 ババババ!アロハの連打がヨッタを襲う。必死に避けるヨッタ。

「ほらほら。避けてばかりじゃ、始まらねーぞ。」
 アロハが煽る(あおる)。

「ば…馬鹿にするな!」
 ヨッタはアロハの連打の間をぬって右拳を放つ。

 バキッ!吹き飛ばされたのはヨッタの方だった。アロハの右蹴りが、一瞬早くヨッタの体を捕らえたのだ。

 ダーン!ヨッタの体が乗用車のボンネットにぶつかった。

「うわー!人が!」
 ギャギャギャ!乗用車が急ブレーキをかけた。

「ご…御免なさい。」
 言ってヨッタは態勢を立て直し、飛び出した。

「あいつ、どこ行った?」
 そしてアロハの姿を求める。

「上だよ!ヨッタ。」
 ポゴが叫ぶ。ヨッタが空を見上げた。
 アロハが空高くジャンプしている。

「行くぞ!」
 ヨッタはアロハ目がけてジャンプした。

「うおーっ!」
 そして右拳を放つ。アロハは左腕で払い、カウンターを放った。


 空中で、互いの連打が飛び交う!


 スタッ。ヨッタがトラックの荷台に着陸した。

 スタッ。アロハも、並走するトラックの荷台に着陸する。

「やるな。この俺の攻撃に付いて来るなんて。」
 アロハは息一つ切れる事無く笑う。

「ハァハァ。一体何なんだ、お前は。」
 対照的にヨッタは息も絶え絶えで苦汁の表情を浮かべる。

「…俺の名か?」
 アロハが言った。その瞬間、アロハの姿が消えた!

「…?」
 立ち尽くすヨッタ。

 不意に寒気が襲った!

「上だ!」
 トラックの荷台を転がる!

 ズバーン!荷台がまるで段ボールのようにひしゃげた!アロハの膝落としが襲ったのだ。

 ヨッタはよろめきながら、路肩に回避する。

「ぐわっ!」
 直撃は回避出来たが、アロハの攻撃はヨッタの肋骨にダメージを加えるのに十分な物だった。


「本当、凄いよ。俺、ほんのちょっと本気出したのに。」

 不意に、ヨッタの後方から声がする。驚き振り返る。

「誰だ!?」

 そこには湾岸線沿いのサイドレール上に座り、両手と頭を下に垂らした男が居た。