「なんだこのちんちくりん」
肩をバンと押されて、日向君が倒れる。
あ、日向君。
「あんなん置いといて行こうぜ」
ナンパ男にグイッと引っ張られる。
「いや!離して!嫌だ!」
一生懸命抵抗するも、男の人の力にはかなわず引っ張られて行く。
何ここ……
気づいたら、誰も居ない岩陰みたいなところに来ていた。
ぶるっと身震いがする。
嫌だ……嫌だ……
「この辺でいっか。なー依南ちゃん」
「何、すんの……?」
「ぷはっ、そんな怯えないでよ。すぐ終わるからさ」
そう言って少しずつ近づいてくる、ナンパ男。
何?何で近づいてくるの?
一歩ずつ後ずさりするが、その男も近づいてくる。
そしてとうとう、これ以上下がれないって所まで来た。

