私は、あの日から勝手に指定席にしてしまっている席に座った。
......ノートを開いて、シャーペンを握るけど、
   勉強なんてしない。
   だって、どうせ彼を見ちゃうんだもん......


ガタッ


その時、音を立てて彼が立ち上がった。

え....うそ....どうしよう!!
こっちに来る!!
......いつも見てたの、ばれちゃったの?


「......あのさ」
「な、何?」
「もう三十分くらいたってんだけど、 
 やっぱり...ノート、真っ白じゃん....」
 
ギャー!!
ばれて....


「お前さぁ~、毎日ここで勉強してるくせに
 テストの点、悪いよなぁ~」 

....ない?


「あはは~、そーなの。私、頭悪くって!!
 ....ってなんで知ってんの?」

もしかして、私のこと気に...
 
「勘。」
 
....ですよね......


「俺、教えてやろっか?」
「...は?」
今、なんと?
「だーかーらー....勉強教えてやろうかって言ってんだよ!!
 ....嫌ならいいけど・・・」
「嫌なわけない!!教えて下さい!!」
「なら、よろしく。俺は、相沢奏(アイザワカナデ)。2年生」

相沢君っていうのか~....

「私は、桜木未央です。私も2年だよ!!」
  




こうして、相沢君との放課後の勉強会が始まった。