俺は小さいころからここで育った
眠らない街
大人の街
誘惑の街

両親は両方とも夜の店をやっている経営者だ
家にはいない
夜になると預けられる家『三神』
三神家の夫婦は、元々眠らない街の出身だ
2人とも凄かった話を親父がしていた
『戻ってきてほしい』
そんな話を聞かされていた。
きっと俺もこの世界に足を踏み入れる
そんな風に小さいころから思っていた。



『三神』家には1つ下の女の子がいた
いつも俺の後をつけまわしてくる
俺は小さいころからその子が好きだった


『恭平!どうしたら亮話してくれるかな?』
小学校までは亮と実夢は、仲良し兄弟だったけど
亮は中学・高校にあがるにつれて実夢を遠ざけるようになった
俺は兄弟がいないからそういうの分からなかったから
実夢の話をよく聞いてやった


『わからねーよ。それより早く自分の家に帰れよ。』

『じゃあ家まで送ってよ!!怖いもん!!』

『ほんと…姫かよお前…』
でも、そんなことが嬉しかった。
俺は自分の気持ちを伝えることができない小心者で…
いつも実夢が帰った後に実夢がいたって証拠の匂いがあるうちに
想像しながら抜いていた
俺はもうこの時から我慢が出来なくなっていた。

実夢が好きだ…