きゅ…
紗英子は俺の、康介の血で汚れたシャツの裾を引っ張った。
紗英子に目をやると、
今にも泣き出しそうな目で、俺のほうをじっと見つめていた。
「……隠れなきゃ、ね、雅也」
「あ、あぁ」
またぼーっとしてしまっていた。
あと少しで義昭が俺らを殺しにくるんだ。
さっさとどこかにいかなければ。
「一緒にいたら、あたし、きっと邪魔になっちゃうよね」
いきなり紗英子がこう言ったので、俺は驚いた。
「何言ってんだ。守るっていっただろ、紗英子。」
俺は紗英子の肩を抱き寄せた。
…とは言ったものの、
まだ状況が飲めない。
義昭は確かに死んだはずだ。
でも、生きていた。
まさか、
俺達に復讐するために、
義昭は生き返ったのか。
それとも、義昭の霊なのか。
どちらにしても俺達は、
命がかかったゲームに参加しているのだ。
…悪い夢なら、早く覚めてくれ。

