「でも、アイツだったよ…。犬を殺したらしい。目撃者が…」

飛鳥は、それから零都に微笑んだ。

「人を殺してないなら、死んだ犬を見てた…とか、可愛がってたら突然死んだって誤魔化せないですか?」

零都は、困ったように髪を掻き上げた。

「顔と胴体が切り離されているのにか?いきなり顔が取れましたって?」

飛鳥は、ハッと黙った。

「…劉斗君が捕まったら、自由がなくなる。外へ出たらいじめられる…だから、嫌なんじゃないんですか?神田さん」

飛鳥の言葉に、零都はゆっくり頷いた。

「だから…でも…」

泣きそうに震えた零都の声。
飛鳥は、黙って笑顔を返す。