カチカチカチ…

暗く静かな部屋に、パソコンのキーボードを打つ音だけが響く。

プルルル…
プルルル…
プルルル…

電話が、パソコンの横で鳴る。

「はい。こちら日野飛鳥」

電話を取り、パソコンを打ちながら日野飛鳥(ひのあすか)は答えた。

『あぁ、こちら神田。東京の渋谷で新たなデビルが現れた』

デビル…。
飛鳥は、唇をグッと噛んだ。

「…こちらには情報はありません」

飛鳥は、そう言って電話を切った。

画面には、小さな子ども。

「何かの、間違いでしょ?こんな小さな子どもが…デビルだなんて」