柚子の体は少し緊張から解放された
「…本当に…ありがとうございます!」
そう言うなり柚子は部室を元気良く飛び出していった
また練習を始めた
柚子の顔は笑顔だった
ボールの音も弾んでいた
今までの遅れを取り戻すため
またみんなに認めてもらうためにもと
一生懸命取り組んだ
外はすっかり暗くなっていっていた…
柚子は家へと帰って行った
居残り練習も帰り道も久しぶりの一人だった…
練習中は集中していたので考えずにいられた
…が、帰り道は他に集中できるものがなく考えてしまっていた
悠斗のことを…
反対方向にもかかわらず毎回送ってくれていた
家までは十分ちょっとだった道のり
一緒だったら十分がすごく短く感じていた

