パチパチパチパチ


幕は閉じ、
会場は拍手の嵐だった。

しかし、

私の心はどんよりとまさに嵐が起こる前兆であった。



「信じらんない!海のバカバカ!!」

「……そんなに怒らなくたっていいだろ」

「じゃあ、間違えたとでも言う気?私のファーストキスがあんな公然にさらけ出されるなんてぇ〜」

「……間違えたわけじゃねぇよ。お前のことが好きなんだ」





私のことが好き?

海が私のこと──





バンッ!!!!!!!


楽屋の扉が勢いよく開いた。

「とってもよかったわ!やっぱり私が見込んだ通り!ありがとう!」

「……」

「どうしたの?二人とも恐い顔しちゃって」

「……その」

「大成功だったわけだし、もっと明るくぱぁ〜といきましょう!」

私も海も本当のことは言えず、この場では愛想笑いするのが精一杯だった。