「着いたで。」 そんな声が聞こえた後、ゆっくりと目を擦りながら起きた。 車はビルの前で止まっている。 「どうした、まさと。」 ぶっきらぼうな言い方で、雄大が声を掛けてきた。 「何でもっ!」 ビルの目の前で突っ立っていたことに気がつき、足をまた前へ進めた。