「よかったあ。実は、上のほうから今すぐ決めてこい。とか言われちゃってね。慌てたよ。けど、さすが!決まってたんだね!それじゃ、さっそく上に報告してくるよっ。」


そう言うと、竹内さんは風のように走り去っていった。


取り残された俺達は呆然と会議室の椅子に座っていた。
若干一名、ルンルンと鼻歌を歌いながら

「早く決まってよかったなあ。」

とニコニコしながら言ってるやつもいる。
ムカつく……

「ゴツンッ!」

突然、部屋の中に鈍い音が響き渡る。

「いってぇ…」

殴られた翔は頭を抱えてうずくまっていた。

「てめぇ、何だあの名前は…」

指をバキボキと鳴らす茂人。
よっぽど嫌だったらしい。
俺もやだけど…


「へ?名前って…“ちよこれいと”か?かわいくていいやんけ。」

へらへらしながら翔は答える。
こいつ能天気だな。
冷たい目で見ていると、ふと雄大がいないことに気づいた。