観客のざわめきがやまない中、翔が立ち上がった。
「まさと、お前いいところとりすぎなんだよ!申し遅れました~。翔です!」
うちにツッコミ?みたいのを入れてから客席に笑顔を向けて自己紹介をした。
「てゆうか、そこの君たち!まさとのことかわいいとか言ってるけど俺のだから!」
翔は、そう言いながら抱きついてきた。
「何あの二人!超かわいい!」
「仲いいんだー。」
観客はこちらでも、かわいいを連発した。
うちは
よかった~。いい雰囲気作れて……
と、翔に心の中で感謝していたが翔は抱きついたまま離れない。
「翔!いい加減離れろよ。」
小声で翔に言ってみたが、まったく聞く耳をもたない。
すると雄大が今度は立ち上がり
「いてっ!」
翔の頭を殴った。
そして、くるっと客席のほうへ体を向き直して
「雄大です。なんか、さっきからこのバカがすいません。」
と、観客に言った。
観客からは、どっと笑いが起きた。
翔も雄大が殴ってくれたからしぶしぶ離れてくれた。
てか、雄大おもしろいな!
意外と笑いのセンスあるんじゃないか?


