まさとが出ていったあとの空気は重苦しかった。
部屋には、竹内さん、茂人、俺……雄大が残っている。
一部始終をソファーで、寝転びながら見ていた俺はため息を1つついた。
バカか…
茂人の野郎。
まさとは、多分プライドが高い。
だから余計泣いていたというところを、触れてほしくはないんだと思う。
なのに、あの無神経野郎は…
超がつくバカだな。
「茂人。今のは、無神経だよ。まさとは気にしていたんだ、触れてあげないのが今は良かった。」
静かな空気のなか、喋ったのは竹内さんだった。
竹内さんも俺と同じこと思ってる…
やっぱ、そうだよなぁ…って思いながら横目で茂人を見た。
竹内さんに、言われたのがムカついたのか悔しかったのか分からないが、歯を食い縛っていた。
突然、体の向きを変える茂人。
まさとを追いかけるように、部屋から出ていった。
その姿を確認した竹内さんは、ゆっくりこちらへ向かってきた。
俺は、起き上がりソファーの半分をあけた。
「まだまだ子供だな。茂人も。」
ソファーに座り、笑いながら言ってくる竹内さん。
「ですね……。」
苦笑いを浮かべながら、俺は竹内さんの意見に賛同した。


