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『どうだった?』
少し呆れて聞いてくる由香
『直樹くんに任せた』
『それ、ヤバくない?』
ヤバいのはあいつの低レベルな頭だ
非常に残念な頭に出来上がっている
『だって直樹の好きな人…あれ?』
『……?』
『姫芽、あれ』
由香が指差す先には
純也…?
純也はあたしの目の前に来ると
『ゴメン、由香ちゃんは帰ってて』
珍しく低い声でそう言った
『ハ?浮気して別れ話されて逆ギレ?あんた本物のバカね』
そうはき捨てると
『姫芽、正門で待ってる』
それだけ告げて玄関から出ていった
『…何か用?』
『直樹が、姫芽が俺と別れたいって』
『言ったよ?』
あんたに嫌がる権利は無いよね?
『あたし言ったよね?
あたしだけを好きでいてくれる人以外とは付き合わない
純也はあたし以外でもいいんじゃん』
『俺は、姫芽が好き』
『ハ?好きの意味分かってる?誰にでも言ってる癖に』
『違う。言ってない』
『じゃあ何でいつも女の子といるの?あたしは何番目の彼女?』
『1人しかいない、姫芽だけが好き』
ハァ…
