捨 て て や る





……………

………






『どうだった?』





少し呆れて聞いてくる由香




『直樹くんに任せた』





『それ、ヤバくない?』







ヤバいのはあいつの低レベルな頭だ




非常に残念な頭に出来上がっている







『だって直樹の好きな人…あれ?』




『……?』





『姫芽、あれ』






由香が指差す先には





純也…?






純也はあたしの目の前に来ると






『ゴメン、由香ちゃんは帰ってて』




珍しく低い声でそう言った





『ハ?浮気して別れ話されて逆ギレ?あんた本物のバカね』





そうはき捨てると





『姫芽、正門で待ってる』






それだけ告げて玄関から出ていった











『…何か用?』





『直樹が、姫芽が俺と別れたいって』





『言ったよ?』





あんたに嫌がる権利は無いよね?





『あたし言ったよね?



あたしだけを好きでいてくれる人以外とは付き合わない



純也はあたし以外でもいいんじゃん』






『俺は、姫芽が好き』






『ハ?好きの意味分かってる?誰にでも言ってる癖に』





『違う。言ってない』






『じゃあ何でいつも女の子といるの?あたしは何番目の彼女?』





『1人しかいない、姫芽だけが好き』







ハァ…