連れて来られたのはあの堤防…。

「鈴将……?」
恐る恐る名前を呼んでみた。

「………なんで言わね―の?幼なじみの俺にも」
うわっ!かなり怒ってるよ…

「言えないよ…軽蔑されるだけだし…それに1番近くにいる分余計言えなかった……」

「もう12年の付き合いだそ?!今さら何隠すとかねーじゃん」

「ごめん………」
鈴将が言ってる事はもっともだ。

「いつからそんなに悩んでたんだ?」

「いつからだろ……覚えてないや……」


あたしの手を握って呟いた。
「自分傷つけてまで……お前いろいろ1人で溜め込みすぎなんだよ……気付いてやれなくてごめんな……」
そう言って抱き締められた。

「ごめんね」
あたしはひたすら謝る事しか出来なくて……。

「だから約束なっ?」
しばらくして鈴将が言った。

「ん?」

「もう隠し事なしっ!辛かったり、苦しかったり悲しかったりしたら全部俺に言う事!!わかった?」

「……うん」
あの時から始まってたのかな??

気づかないようにしてたのかな?



この気持ちに本格的に気づくのはもう少し後で……