15分後……

「出来た―っ!」
やっと荷物を詰め込むのに成功したあたし。

「よし、じゃあ行くか。」

「うん!」

「薬とかちゃんと持ったか?」
「あっ!忘れてた……」
あたしは思い出して机の上にあるポーチを鞄に入れた。

「多いな……」

「うん―。喘息の吸引器とかあるからね―…」

「ちゃんと飲まないと治んないんだからな?」

「はーい…」

「みんな心配してんだから」

「本当かな?」

「なんで?」

「最近思うの。あたしがいなくなっても誰も気にしないんじゃないかって」

「ばーか。考えすぎだよ」

「うん……」

「覚えとけよ?間違いなく悲しむ奴はいるんだからな?」

「本当?」

「うん。妃樺里だろ?伊織に隼人。由梨に優斗に………こいつらは多分立ち直れないな……朱兵と陸駒。」

「鈴将は?……寂しくないの?」
鈴将の目をみて返事を待つ。

「……寂しくないかもな」

「え―…酷い………」
泣きたくなってきた。

「ウソウソ!多分生きていけないくらい寂しい。……だから変なこと考えんな」

「う、うん……ってか遅刻するっ!」

「やべっ!行くぞ!」