『・・・オイ!!』

緑色の浮遊する物体は声を上げた。

混乱する2人の間を割るように。

「るせぇな!!」

2人は漫画の様にハモった。

『今ノ状況トソウナッタ理由ヲ教エテアゲヨウカ』

すると2人は顔を見合わせて黙り込んだ。

緑の人形は話はじめた。


まず緑の物体はあのマリモ人形である事。

そして2人が混乱している最もの原因。

2人は、中身が入れ替わったのだ。

「おい・・・何だよ、ウソだろ!!!!
 このヘタレ人形が!!!!」
美希の姿の優希が怒鳴った。

「ねぇ・・・何ソレ、ウソよね!!!!
 このヘタレ人形ッ!!!!」

優希の姿の美希が怒鳴った。

『落チ着ケヨ!!
 デモソレト同時ニ2人ハオレの命ヲ救ッタンダゾ!』

「どういう事だよ?」

『オレハ人間ナンダ!!!!』

「なに言ってんの~??
 何年も枕元に置いてるケド人間らしさとか全然なかったし」

『コノ人形ニ封印サレタンダ!!
 信ジテクレヨ!!!!』

2人はあのマリモ人形が口をぱくぱく動かして熱心に語るという現実が信じられなかった。