朝。

カーテンの隙間から朝日がうっすらと差し込み始める。

「起きろ・・・美希」

美希が言った。

「起きてるし・・・クソ優希」

優希が言った。

2人は目を覚ました。

優希は下から、

「ねぇ優希・・・
 いくら何でも私がベッドから落ちて優希を下敷きにするからといって寝てる最中に場 所交代するコトは無いと思うけど」

美希は上から、

「おい美希・・・
 いくら何でも美希がベッドから落ちて俺を下敷きにするからといって寝てる最中に場 所交代するコトは無いのだが」

その時、2人は感づいた。

・・・何かが矛盾していた。

美希はベッドの上の段から飛び降りた。

「・・・んだコレ・・・!?」

「・・・何よコレ・・・!?」

『ハーッハッハッハ』

険しい表情で見つめ会う2人の間を何かが遮った。

2人の腹部あたりで浮遊するもの。

それは、

あのマリモ人形だった。

「なぁ美希冷静になろうきっとコレは夢だ現実でまた正しく会おう」

美希が焦った様に言った。

「そうよ優希冷静になろきっとコレは夢よ現実でまた正しく会おう」

優希が焦った様に言った。

『ハーッハッハッハ』

2人の間に浮遊する緑色の物体はまたさっきと同じように笑った。

2人は頬をつねり合い、

「ほんなにいたくしても夢から覚めないのか?」

美希が絶妙な口調で言う。

「ほほまでいたくしても夢から覚めれないの?」

優希も絶妙な口調で言う。

『・・・・・・ハハ』

2人の間に浮遊する緑色の物体はまだひっそりと笑うのであった。