毎日2人は一緒に帰っている。

双子のくせに付き合っている、なんて噂を立てる人間もいたが、それには理由があった。

本当は、2人とも病気を持っていた。

心臓発作をすぐに起こしてしまう。

学校では教師がいるから大丈夫なのだが、いなくなるとどこにも連絡をすることが出来なくなる。

だから携帯を持っている2人が一緒に帰って、もしもの場合連絡する。

生まれつきの病気だった。

「優希・・・気分大丈夫?」

「当たり前・・・
 美希が一番怖い。発作を起こさないか・・・」

優希の細い目はただまっすぐ向いている。

美希の大きな目は優希の横顔を見ていた。