校則違反で生徒指導室に呼ばれた女の子たちが、偶然通りかかった私の姿を横目にした。

たしかに私は、たいしたオシャレもしてなくて、すべてが校則通りで。

大人の都合にしてみれば、清楚で女らしく、模範的な身なりの生徒なのかもしれない。

でも……



「平山、おはよう」

「…っおはよう、ございます」



私だって本当は、こんな自分でなんかいたくないんだ。

たとえ怒られる理由だったとしても、あの女の子たちみたいに、冗談を言いながらセンセイに触れられるなら。



こんな堅苦しい殻

今すぐにでも、脱ぎ捨てたい。