センセイ




センセイ…



私って、勝手かもしれない。

センセイのことを心配するみたいに思ってたのに、あの日の私の発言なんて忘れてしまったように笑ってるセンセイを見たら、変に苛立ってしまった。

もっともっと、私のこと以外考えられないくらいに困らせなきゃいけないって思って…。

だってそうしないと、きっとセンセイは私のことなんて思い出してもくれないだろうから。

こんな平凡で、つまらない生徒との間にあった出来事なんて…




時々窓の外から流れてくる夏の匂いに、頭がボーッとしてくる。

私という人格を象ってた理性がバランスを崩して、淡い想いだった私の感情は、いつの間にか醜い形へと変わっていった。



こういうのを、歪んだ愛情って言うのかな。

センセイの笑顔を消してしまうくらいの大きな問題を起こして、私の前で切なく悲しく、その視線を留めてほしいと感じてしまう。

取り留めのない想いに、その胸を痛めてほしいと願ってしまう。