「あの、…私、白鳥センセイに襲われそうになったんです!」
「え……!?」
あまりのことに、驚きの声を漏らしたのは湯本先生じゃなくて白鳥センセイの方。
どうして私にそんなことを言われてしまったのか、理解できなくて唖然としてた。
たぶん想像もできなかったことで、言葉がまとまらなかったんだろう。
私がわずかに怯えた表情を見せると、センセイはゆっくり、掴んでいたその腕を放した。
「あなた、たしかA組の平山萠さんよね。いま自分で何を言ったかわかってる?」
「…はい」
変なんだ、私絶対変なんだ。
でも、なぜだかわからないけど、伝わってほしかったのに、そうならなかった何かが悔しくて。
私の中に残った大きな固まりが、消しようもない感情に苦しいくらいに揺らされて。
わかってくれないセンセイに、仕返しをしたかったのかもしれない。
この辛さや悔しさを、また間違った形でぶつけたかったのかもしれない。

