センセイ



あぁ、どうして私は、ここに座ってしまったんだろう。

センセイの目が、真っすぐ私に突き刺さって、考え直そうという気持ちさえ行き留めてしまった。

小さな机を挟んで、丸い木の椅子に腰をかけて。

乗り出すように見つめるその目は、きっと本当に私を心配してくれてるんだろう。

でも私は、そんなセンセイの気持ちを利用して、ただセンセイの中に入り込もうとして。

センセイの悩みのタネを、増やそうとしてる。

こんなことで、センセイの気持ちを引こうとしてる。



すごく、ダメな子…

すごく、不真面目な生徒。





「センセイ。わたし……、売春してるんです」