センセイ



陽に照らされた実験用の机が目に眩しい。

ほら、夏は意地悪に、すべてを見透かそうと私を動けなくする。

私の中を透明にして、隠そうとしてる欲までも、あらわにしてしまおうとする。



こんな気持ち、センセイに知られたら恥ずかしくて顔も合わせられないのに

バレてしまえば、今より近づけるのかもしれないって囁く声が胸の奥にいて

私に、下手な嘘を吐き出させるんだ。



どうせ信じてもらえそうにもない、最も私に不釣り合いな嘘なのに

わずかに開く唇から、フッとこぼれるように。



「…センセイ、わたし……」

「うん、どうした」