驚き、俺と順平はドアのほうを向く。
そこには、不機嫌まるだしの睨み顔をした亮平が居た。

「亮…」

「てめぇ、俺の達也に何してやがる!!」

そう言った刹那、亮平の鍛えられた拳が、順平へ飛んでいった。
バコッ!!

「うッ…。」

鳩尾をやられた順平は、気を失った。
それを確認すると亮平は、俺のほうへ歩み寄った。
―――怒られるッ。
そう思ったけれど、亮平は俺を抱きしめた。

「馬鹿野郎…。俺も触ってねぇのに、何触らせてんだよ。」

「りょ、亮平…。俺の事、好き?」

「馬鹿。世界で一番。お前は一生俺の玩具だ。分かってんのか?」

それを聴いた瞬間、怖かった気持ちと、安心した気持ちと、幸せな気持ちが一気に溢れでて、俺はガキみたいにわんわん泣いた。
そんな俺を、毛布で包んで、お姫様抱っこで、亮平は誰も居ない学校の保健室まで俺を運んだ。