「大丈夫か。お前。」

放課後、亮平の居ない保健室のベッドで横になっていると、順平がベッドの淵に腰掛けて、俺のオデコを触った。

「うん。大丈夫…。ただ…苦しい。苦しいのに、泣けないんだ。…ヤろうよ、順平。」

「帰ったらな。」

「やだッ…。今スグ…。」

「ダメ。ここ、原田と初めてヤッた所だろ。良いのかよ。お前、原田に会いたくてココにきたんだろ。」

順平の声は、悲しそうだった。
俺は、ココへ来ても、亮平に会えないこと、分かってはいたけど、合える気がして…。

「ココの…、モヤモヤが消えねぇんだよ…。」

苦しみにもがきながら、俺は胸を指差した。

「うん…。なんでだろ…、消えてくれって思ってたハズなのに、俺も苦しい。」


 その日、順平に抱かれても、結局涙は出なかった。
やけに順平は激しかった。多分、順平も辛かったんだろう…。
ガチャッ

「!?」

ヤり終わって、2人で裸のままベッドに寝転がっていると、順平の家のドアが開く音がした。普段、夜にならないと順平の親は帰ってこないはずだけど…。

「やっべ!今日、はやく帰ってくるって言ってたわ!…はやく服着ろ!」

心臓がドッキドッキした。

「順平?居んの?…お友達呼んでるなら、ジュースくらいだしなさいよ。」

トン、トン、トンと、階段を上がってくる音が聞こえる。
俺と順平は、すばやく着替えた。

ガチャ

「…あら、達也君だったの。テレビもつけずに、何してたの?」

「か、勝手に入ってくんなよ、今こいつの相談聞いてたんだから!」

若干噛んだものの、順平はうまくごまかした。
順平の母親とは、夏休みに泊まりに来てた時に、お世話になっていた。