一人の生徒が手をあげる。
「これは覚えていた方がいいですか」
「そうね。テストに出すかもしれない」
その発言を聞いて、あたしはマーカーでその一部をチェックした。
「みんなは」
生徒の半分が顔をあげる。
先生は何か言う。
「みんなはもうすぐ、受験よね」
あたしのクラスは4分の3は進学する。
頭が言い訳じゃないし、やりたいことがあるわけじゃない。
行かなきゃいけない、という
義務感と
別にやることがない、という
逃避から
みんな進学することを望む。
あたしもその中にいる。
目指すは大学。
私立だから授業料が
ハンパなく高いけど、
大学は出ておきたい。
「受験は、昔とは全く違う」
みんなの意識が先生に向く。
「なんせ推薦や
AOなどの対策が多くの
大学で使われて
努力せずに入ろうと思えば
入れるようになっているの。
学校の成績をよくすれば
あとは楽々だけど、
目的なく大学に行くのは
お勧めできない。
大学を出て、それを履歴書に書きたいなら、
それを目的としていいから
無闇に受験するのはやめなさい」

