前扉が開き、
女性の先生が入る。
先生、今日も
きれい。
先生はみんなの憧れで、
女子にはちょっと
羨まれる人だ。
あたしもその内の一人。
先生の声は低く、
艶っぽい。
現国の先生だから、
その声で朗読されると
なんだか
どきどきするの。
「さて、今日から
日本文学の誇りを学びましょう」
この一声で
教室がうっとりする。
あたしはその中で
ずっとひやひやするの。
だって、
クラスの男子と同様に
中川くんも熱心に
先生を見てるンだから。
こういう時だけ
先生に嫉妬する。
気分をそらそうと
ノートの端に落書きをした。
うさぎ
犬
花
今日はうまくかけるンだ。
じゃあ…
そっと前を見る

