キングがいる生活が自然になってきて気が付くと僕は中学生になった。

部活をやり始めると帰るのが遅くなり毎日の日課の散歩には行けなくなることが多くなったが、部活が無い時は必ず散歩をした。

キングは自分のなかでかなり大きな存在になり、かかせない家族の一員になった。

ごく平凡な毎日が1日1日と過ぎていき。

中学生の1年があっという間に終わろうとしていた。

このままも平凡な人生になると思っていた。
君に出会うまでは…


いつものように部活がなかったので公園でキングの散歩をしていたら

毛がボサボサで汚くて人に、すごく脅えている犬を見つけた。

捨て犬だった。

その捨て犬は人が通る度に吠え。

人が近付く度に震えていた。

自分が捨てられたのを知ってか知らぬかその目はどこか悲しい目をしているように想えた。

それが君と初めて出会った日だ。

君のあの悲しそうな目に見つめられるたびに

胸がしめつけられる思いだった。