【短編】愛するキミへ

「椎夏」
俺は体を離した。
「秋夜に別れようって言われた時、ほんとにつらかった。秋夜は、私のこと嫌いになっちゃったのかなって思った。ほんとは嫌だって言いたかった。でも、そんなこと言ったら秋夜にもっと嫌われるって思ったから言えなかった」
椎夏は言った。
「椎夏・・・・・ごめんな」
俺は椎夏の涙を拭った。
「椎夏、ずっと俺のそばにいてほしい。俺のそばで笑っててほしい」
俺は言った。
「うん」
椎夏は言った。
「椎夏、愛してる」
俺は微笑んだ。
「私も愛してるよ」
椎夏も微笑んだ。俺は椎夏を抱きしめた。強く強く抱きしめた。