椎夏は、俺に気付かずそのチャラ男と歩いていった。
俺は、それをただ呆然と見ていた。





教室に入ると、秦が声をかけてきた。
「あれ?今日は彼女と一緒に来なかったのか?」
秦は言った。椎夏の話しはしたくなかった。
「秋夜?」
秦は心配そうに、俺の前の席に座った。
「どうしたらいいのか分かんねー」
「何が?」
「別れよっかな」
俺は、初めて『別れ』という言葉を口にした。
「別れるって、なんでだよ」
秦は言った。
「彼女が俺から離れてる。彼女の気持ちが分かんねー」
俺は秦の前で初めて弱音をはいた。
「気にしすぎじゃねぇーの」
「違う。分かるんだ。付き合い始めた頃と違う」
「だったら、おまえの気持ち、ちゃんと彼女に言え。んで、彼女の気持ちもちゃんと聞いてこい」
秦は言った。
「そうしてみる」
俺は嬉しかった。秦の言葉に救われた。




俺は、決心した。




椎夏にちゃんと聞こう





俺のこと、本当に好きなのか。を・・・・・





俺たち、このままでいいのか。を・・・・・