パソコン教室では、縦6席、横6席、計36名分のパソコンが置かれていて、デリケートな器機を守るために冷房が完備されていた。とても快適な空間である。
座席は通常使っている教室と同じように使われていた。予鈴が鳴るギリギリに駆け込むと、クラスメイトは見慣れた配置で座っていた。
勇太は私と目が合うと、気まずそうに視線をそらした。怒りをぶつける気配はない。さきほどの一件を気にかけているらしい。
彼の様子に、私は罪悪感を覚えた。麗は怒るかもしれないが、改めて彼の悪口を言わないよう注意しようと思った。
「これから新しいテキストを配ります。先頭の人に渡すので、後ろへ回してください」
予鈴を聞きながら、私と琴美は手分けしてテキストを配った。その間、麗の姿を探した。すると麗はちゃんと自分の席についていて、目が合うと再び『フン!』と目をそらした。ズキッ、と私の胸は痛んだ。
しかし落ち込んでいる暇もなく、すぐに担当の女性教師がやって来た。テキストがクラスメイト全員に回れば、さっさと授業を開始した。授業にずっと集中しつづけるのは無理だからと、半ばあたりで5分休憩を取るためだ。
彼女のやり方がうまいのか、授業内容が面白いのか、全員いっさい無駄口を叩かず授業を受けていた。イライラを爆発させた麗も今はおとなしい。真新しいテキストを広げ、黒板に書かれた内容をキッチリとノートに写していた。
勇太を見れば、テキストをパラパラとめくり、教科書や黒板にはほとんど目をくれない。テキストが新しいので、初耳の専門用語は沢山出てくるし、操作も難しくなっているのに余裕たっぷりだ。その余裕がアダにならないか心配になった。
(もしかして、わからないのかな?ちゃんと授業についていってるのかな?)
「みんな、ノートは取り終えた?それじゃ早速、9ページに書かれている例を見ながら実際に表を作って見ましょう」
座席は通常使っている教室と同じように使われていた。予鈴が鳴るギリギリに駆け込むと、クラスメイトは見慣れた配置で座っていた。
勇太は私と目が合うと、気まずそうに視線をそらした。怒りをぶつける気配はない。さきほどの一件を気にかけているらしい。
彼の様子に、私は罪悪感を覚えた。麗は怒るかもしれないが、改めて彼の悪口を言わないよう注意しようと思った。
「これから新しいテキストを配ります。先頭の人に渡すので、後ろへ回してください」
予鈴を聞きながら、私と琴美は手分けしてテキストを配った。その間、麗の姿を探した。すると麗はちゃんと自分の席についていて、目が合うと再び『フン!』と目をそらした。ズキッ、と私の胸は痛んだ。
しかし落ち込んでいる暇もなく、すぐに担当の女性教師がやって来た。テキストがクラスメイト全員に回れば、さっさと授業を開始した。授業にずっと集中しつづけるのは無理だからと、半ばあたりで5分休憩を取るためだ。
彼女のやり方がうまいのか、授業内容が面白いのか、全員いっさい無駄口を叩かず授業を受けていた。イライラを爆発させた麗も今はおとなしい。真新しいテキストを広げ、黒板に書かれた内容をキッチリとノートに写していた。
勇太を見れば、テキストをパラパラとめくり、教科書や黒板にはほとんど目をくれない。テキストが新しいので、初耳の専門用語は沢山出てくるし、操作も難しくなっているのに余裕たっぷりだ。その余裕がアダにならないか心配になった。
(もしかして、わからないのかな?ちゃんと授業についていってるのかな?)
「みんな、ノートは取り終えた?それじゃ早速、9ページに書かれている例を見ながら実際に表を作って見ましょう」


