「あ、うん」
佑はベッドの横を背もたれにしてカーペットの上に座った。
「佑、いきなりだけどさ…」
「な、なに?」
佑の隣に座った私は佑にどんどん詰め寄る。あまりの近さに佑は戸惑ってるようにも見えた。
「…てよ」
私は笑いをこらえながら佑にお願いをするけど佑には聞こえてないみたいで更に戸惑うばかり。
「柚希、なに?
…てよ、て」
「歌ってよ!」
笑いに打ち勝つために思わず大きな声で佑に言った。
「え、ムリムリムリ」
佑は首を振ってひたすら否定する。
「ムリじゃないから」
「ムリだって」
佑は簡単にはイエスと言ってくれない。
「ねぇ、じゃあ歌ってくれたらご褒美…あげる」

