なんだこの店……


とりあえず中に入ってみる。


「いらっしゃい。」


「こんにちわ。何売ってるんですか?」


軽く頭を下げた後、礼儀正しくばあさんに問う。


「お前さん、誰かに自分のこと好きになってもらいたいとか思ったことはないかい?」


“何言ってるんだこのばあさん”と思いながらもその瞬間、さくらの顔が頭に浮かんだ。


でもあいつは俺のことを幼馴染としてしか見ていなくて……


そんなさくらが俺のことを好きになってくれたらなんて何度思ったことか。


「まぁ、そりゃーありますけど。」


「だろうね。」


まるで俺の答えを初めからわかっていたかのようにばあさんはフッと笑う。