晃Side


俺が薬を飲む前日のお話


――…部活の帰り道。


プップ~


トラックのクラクションの音…



「うわっ、危ね。」


俺は危機一髪のところで引かれそうになっていた猫を助けた。


「にゃ~。」


「“にゃ~”じゃねーよ、このデブ猫。こんなにもっちり脂肪つけて…だから逃げ遅れるんだぞ。もう少しダイエットしろっ。」


「にゃ~。」


俺の腕からドスンと降りて走っていくデブ猫


「おい、こら!聞いてんのかよ。……ってデブの癖に走るの速いじゃんかよ。なら自分で逃げろっつーの。」



気づいたら俺は見たこともない店の前に立っていた。