電話を終え、さっき晃が指さしていたベンチに歩いていく。


あれ、晃の他に誰かいる。


ベンチには晃の姿と女の人が4人、楽しそうに話していた。


私に気づいて晃はベンチから立ち上がり王子スマイルで“さくら”と名前を呼ぶ。


うへっ、気持ち悪!!と内心思いながらも晃の元に行く。



「さくら。こっち、俺達の1つ上、3年年生の先輩。それでこいつは幼馴染さくらです。」


軽く頭を下げる。


「えぇ、本当に?彼女とかじゃないの?」


「違いますよ、ただの幼馴染です。」



それからすぐに先輩方と別れて再び館内を回る。




でも、回ってる途中に気が付いた。


女の人の視線……全部晃に向けられている。


晃を見て頬を赤く染める人やかっこいいと呟いてる人。



はしゃぎすぎてて気づかなかったけど、午前中もこんな感じだったのかな?


確かに晃ってかっこいいもんね……


もしかしてさっきの先輩方も晃のこと、そういう風に見てた?


なんかそういうのって…ちょっとイヤだな。


――…ってこれじゃあまるでヤキモチやいてるみたいじゃん。



そう思ったらなんだか急に恥ずかしくなってきた。


まともに晃の顔、見れないかも………