「人の顔見て“げっ”とはなんだ。せっかくノート持ってきてやったのに。」


「ノート?」


「お前といつも一緒にいる奴に頼まれた。今日の分のノート。」


「ゆきちゃんだ。届けてくれてありがと。」

手を前に出して晃からノートを受け取ろうとする。


「俺がただで渡すと思う?」


ノートを高く持ち上げパタパタとちらつかせる。


「は?何言ってんの。いいから頂戴よ。」


負けじとベッドから起き上がってノートを奪おうと必死になる。




「わっ!」


ドスンッ

勢い余って床に倒れてしまった。